萬古焼BANKO YAKI・南景製陶園の急須でいれたお茶が美味しい理由
東京の展示会で一目惚れし、
お取引をお願いした南景製陶園さんの急須。
初めはその洗練された美しい形から入りましたが、
使ってみて、あまりにお茶が美味しく淹れられることに驚きました。
全く同じ条件で硝子のポットと淹れ比べてみたところ、
スタッフ、店舗のお客様、誰もが迷わずこの急須のお茶が美味しいと断言。
何故?
もっと詳しく知りたくなり、南景製陶園の三代目社長荒木さんにメールをしたところ、 すぐにたいへんご丁寧なお返事と、素敵な冊子を送ってくださいました。
萬古焼BANKO YAKIのざらざら
いただいたメールによりますと、
萬古焼の急須は、昔からお茶の味をまろやかにすると言われているそうです。
近年、窯業研究所が調査したところ、萬古焼急須は、急須内側に釉薬がかかっていないため、そのざらざらとした内側面にお茶の渋み成分である「タンニン」が、ほどよく吸着し、そのために、
- 甘みと旨味成分が強調され、まろやかになる。
- 成分バランスが整う。
と判明したようです。
なるほど!
鉄分を多く含む土のため、その鉄分と「タンニン」が吸着して、まろやかになる
という説もありますが、未だ科学的には証明されていないそうです。
「色々と、急須については奥深く考えさせられることも多く、私どもも日々勉強です。」
と言われる荒木さん。
「自分が欲しいと思う物作りをしたい」と、本来はプロダクトでは難しい、作家が手掛けるような表現を盛り込む技法を考案し、形にしていきました。
この急須づくりは、職人さんによる手作業で、出荷を迎えるまでに12工程、およそ1か月かかるそうです。
これほどの急須を世に送り出しながらも、物作りに対する探究心と謙虚な姿勢をお持ちの素敵な方です。
「用の美」という日本の美意識
古くから日本の物づくりは、生活を助けるための道具として、庶民や無名の職人により何百、何千回と使い心地やかたちに修正を加え、素朴だが洗練された形にたどり着きました。
「黒くすべ」と名付けられた南景製陶園の急須にはそんな凛とした美しさがあります。
愛おしくなる定番品
「定番の白シャツや青いジーンズ」のように、「黒くすべ」が急須の定番と言われたらうれしい、と冊子にコメントがありましたが、生活に馴染むデザインと、優れた使い心地が定番品の条件ならば、まさに 南景製陶園 「黒くすべ」は急須の定番品です!
万事急須
急須の蓋裏には「万事急須」と刻印があります。
この言葉に南景製陶園の想いが込められているそうです。
以下カタログより、素敵な文章なのでご紹介します。
お茶の中で会いましょう
汲々と、物事が進まないとき
心が冷たく、ささくれ立つとき
どうして人生は上手くいかないのでしょう。忙しない手を止め、思考を解き放ち
自分のためではなく
誰かのためにそっと湯を沸かす。
お茶を一口、心を鎮め深呼吸。「災い転じて福となす」
目を瞑り、心をからっぽにすると
きっとなにかいい術が見つかるはずです。日々に寄り添う日本のお茶文化。
みなさまに、ほっと一息。
南景製陶園 の急須は下記からお買い求めいただけます。